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2021年 冬号 野沢温泉村 富屋酒店 / 春号 信濃町 高橋助作酒造店

2020年 冬号 小海町 わかさぎ釣り / 春号 佐久穂町 黒澤酒造 / 夏号 中野市 つどい農園 / 秋号 松川町 Vin Vie

2019年 冬号 須坂市 村山早生ごぼう / 春号 阿智村 ジャム工房 / 夏号 南相木村 夏いちご 秋号 小海町さかまき農園

2018年 冬号 高森町 市田柿 / 春号 松本市新奈川温泉 旅館鳥屋沢 / 夏号 小海町 たかちゃん・ふぁーむ / 秋号 飯山市 旬菜料理はたの

2017年 冬号 野沢温泉村 とみき漬物 / 春号 中野市 押鐘園 さくらんぼ / 夏号 松本市奈川 好きですね奈川 / 秋号 飯山市 角口酒造店

2016年 冬号 南牧村 野辺山霧下キムチ / 春号 小海町 珈琲焙煎工房2+1 / 夏号 佐久市 銘菓「五稜郭」玉屋 / 秋号 佐久穂町 りんごやSUDA

2015年 冬号 高森町 信州市田酪農 / 春号 飯山市 田中屋酒造店 / 夏号 さかえむらトマトジュース / 秋号 木島平村 芳川養蜂場

2014年 冬号 須坂市 楠わいなりー / 春号 木島平村 オーベルジュ・グルービー / 夏号 栄村 山ぶどうバッグ / 秋号南相木村信州田舎暮らし

2013年 冬号 佐久穂町 きたやつハム / 春号 佐久穂町 八千穂漁業 / 夏号 南牧村 滝沢牧場 / 秋号 松本市・乗鞍高原 樽スピーカー

2012年 冬号 池田町 陶芸 / 春号 白馬村 革バッグ / 夏号 津南町 染織 / 秋号 信濃町 暮らしの人形

2011年 冬号 白馬村 木彫りアート / 春号 須坂市 はんこ / 夏号 塩尻市 ボタニカルアート / 秋号 飯山市 シュガーアート

2010年 冬号 須坂市 ミニ和紙人形 / 春号 筑北村 木工スプーン / 夏号 松川村 古布手芸 / 秋号 池田町 バッグ

2009年 冬号 須坂市 まゆ人形 / 春号 布ぞうり・布スリッパ / 夏号 南相木村 機織り / 秋号 小海町 木彫り人形

2008年 冬号 中野市土人形 / 春号 松川村お面 / 夏号 信濃町南米民族音楽 / 秋号 佐久穂町創作リース

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この記事は2021年春号です

信州の人と物産
高橋助作酒造店

株式会社髙橋助作酒造店

〒389-1313 長野県上水内郡信濃町大字古間856番地1

TEL. 026-255-2007/ FAX. 026-255-3366

野沢温泉スキー場

斑尾山麓から望む春の黒姫山と野尻湖

 長野県の北端中央に位置する信濃町は、北信五岳と言われる戸隠・飯縄・黒姫・妙高・斑尾の信仰の山々に囲まれ、斑尾山麓には周囲約17kmの野尻湖もあり、妙高戸隠連山国立公園に属する風光明媚な大自然が広がっている。夏は避暑地として野尻湖で釣りやウォータースポーツ、冬は眺望抜群の中でウィンタースポーツが楽しめ、森林セラピー“癒しの森”、ノマドワークなども注目されている。

 ここ信濃町唯一の造り酒屋「髙橋助作酒造店」は、創業145年を迎えた老舗で、銘酒 『松尾』は地域の人々に愛されてきた地酒。スカイツリーの高さと同じくらいの標高にある信濃町での酒造りは「冷涼な雪国の気候ですが、積雪が良質な水環境をもたらし、夏の昼夜の温度差は稲など農作物の生育に役立つ、この自然環境が美味しい日本酒造りに欠かせません」と髙橋邦芳社長は話す。


 「五穀豊穣と安寧を祈り、そして感謝する。日本酒を造ることは、この“祈りと感謝”の想いをカタチにする特別なことであり、代表銘柄は、この様な想いの美酒を醸せるようにと、醸造の神様にちなみ『松尾』と名付けられました」と、醸造元 髙橋助作酒造店、5代目の髙橋邦芳社長は話す。創業は1875年(明治8年)、信濃町では唯一の造り酒屋になる。

 

 日本酒造りには、原料のお米の栽培にも仕込み水にも大量の水が必要になる。だからこそ、水は、酒の美味しさや個性につながる重要な要素。

 

 「仕込水は、戸隠神社奥社の鳥居付近を水源とする“鳥居川”水系の湧き水を創業から使用しています。興味深いのは、戸隠はクジラやホタテ貝の化石が見つかる海底火山などが隆起した特殊な地域で、そこから“鳥居川”が飯縄山と黒姫山の間を流れ出る事によって信濃町の扇状地になり、稲作や酒造りの礎になっている事です」と邦芳さん。

 

 信仰の山々に降った雨や雪が土に染み込み地下水となる。幾重もの地層でろ過された湧き水は、ミネラル分を含むまろやかな軟水で、まさに自然の恵みそのもの。

 

 「日本酒造りが盛んだった明治時代、町に7、8軒ほど酒蔵があり、善光寺平の北に位置するので北山酒と言われていました。信濃町の酒造りの最盛期には県下ではだんとつの出荷量があったんです」と代表取締役会長で88歳になる髙橋博さん。

 

 「ここは寒く低温発酵に適し、空気がきれいで乾燥しているからこそ、コウジの菌が蒸米にぐいっと入り込む。この冷涼な雪国の気候が、いい酒になるんです。今では冷却や空調など機械で操作できるけれど、ここでは自然の力でそれができてしまう。酒造りに適している場所なんだと思います」と会長は語った。

 

 社長の邦芳さんは、「近年特に挑戦してきた事が三つあります。その一つは、気候条件に合った品種の酒米を“地元契約栽培”する事。2009年前後から信濃町での契約栽培に取り組んできましたが、2020年の今期は、地元 信濃町と戸隠地域の農家さんに全量を契約栽培して頂く事ができました」と話す。

 

 そして「二つ目は、“新しい品種の酒米”に挑戦して上質な日本酒を造る事。気候温暖化などで酒米にも年によって影響が見られるようになり、2007年度から全量長野県産米を使用、特に長野県の酒米美山錦を主体に使ってきましたが、2020年度は、全ての日本酒に“地元契約栽培”した新しい品種の“山恵錦”(さんけいにしき)を100%使用しています」。

 

 この“山恵錦”は、2020年にようやく品種登録された長野県が育種した信州の新しい酒米。信濃町のような準高冷地での栽培に適した品種で、同蔵では、この新品種の試験栽培と醸造に2013年当初から継続参加し、酒米としての評価がまだ定まらない2018年に山恵錦を100%使用した純米大吟醸で三冠(全国新酒鑑評会 金賞、関東信越国税局 優秀賞、長野県 知事賞)を最初に受賞している。

 

 試験栽培と醸造は、「自己責任が前提にあり試行錯誤の連続でしたので、その可能性を認めて頂く事は想像以上に過酷でしたが、県農業試験場や食品バイオ部、信州大学などの先生から心強いサポートを頂きとても感謝しています」と振り返る。

 

 「三つ目の挑戦は、日本酒のテロワールを探究することです。弊社には、“鳥居川”水系の水源地域にちなんだ日本酒『戸隠』が1917年からありますが、更にテロワール(固有の個性を与える自然環境の特徴)の思想に基づき、酒米の品種や栽培地域、醸造方法などを限定し、2011年度に栽培地域名を付けた日本酒『荒瀬原』、その後、『斑尾』『上水内』も発売。今後も気候、土壌、水質などの自然環境に基づく個性を探求し、それぞれの栽培地域や水系をより表現できる日本酒を造っていきたいと思います」と語る。

 

 髙橋助作酒造店では、『松尾』など日本酒の他、リキュールも製造している。地元 黒姫高原牧場の新鮮なヨーグルトと純米酒をブレンドした『信乃大地 黒姫高原ヨーグルトのお酒』を2012年に発売、その美味しさは口コミでじわじわと広がった。アルコール度数も5%と低く、普段日本酒を飲まない若者や女性にも喜ばれている。また、地元特産のりんごを贅沢に使った『信州りんごのお酒』も人気。


富屋酒店

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