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2016年 冬号 南牧村 野辺山霧下キムチ / 春号 小海町 珈琲焙煎工房2+1 / 夏号 佐久市 銘菓「五稜郭」玉屋 / 秋号 佐久穂町 りんごやSUDA

2015年 冬号 高森町 信州市田酪農 / 春号 飯山市 田中屋酒造店 / 夏号 さかえむらトマトジュース / 秋号 木島平村 芳川養蜂場

2014年 冬号 須坂市 楠わいなりー / 春号 木島平村 オーベルジュ・グルービー / 夏号 栄村 山ぶどうバッグ / 秋号南相木村信州田舎暮らし

2013年 冬号 佐久穂町 きたやつハム / 春号 佐久穂町 八千穂漁業 / 夏号 南牧村 滝沢牧場 / 秋号 松本市・乗鞍高原 樽スピーカー

2012年 冬号 池田町 陶芸 / 春号 白馬村 革バッグ / 夏号 津南町 染織 / 秋号 信濃町 暮らしの人形

2011年 冬号 白馬村 木彫りアート / 春号 須坂市 はんこ / 夏号 塩尻市 ボタニカルアート / 秋号 飯山市 シュガーアート

2010年 冬号 須坂市 ミニ和紙人形 / 春号 筑北村 木工スプーン / 夏号 松川村 古布手芸 / 秋号 池田町 バッグ

2009年 冬号 須坂市 まゆ人形 / 春号 布ぞうり・布スリッパ / 夏号 南相木村 機織り / 秋号 小海町 木彫り人形

2008年 冬号 中野市土人形 / 春号 松川村お面 / 夏号 信濃町南米民族音楽 / 秋号 佐久穂町創作リース

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この記事は2017年秋号です

野辺山霧下キムチ

角口酒造店

〒389-2412長野県飯山市大字常郷1147

TEL.0269-65-2006 / FAX.0269-65-4607

http://www.kadoguchi.jp/  59醸HP http://59jo.com/

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野辺山霧下キムチ

角口酒造店からの眺め

右側に見えるのは戸狩温泉スキー場(飯山市)

 信州の北端にあり、新潟と県境を隔てている飯山市。南北にゆるやかに流れる千曲川や田園ののどかな風景が広がる。平成27年に北陸新幹線飯山駅が誕生し、北信州の玄関口としてアクセスがしやすくなった。
 ここ飯山市にある角口酒造店は明治2年に創業し、まもなく150年になる信州最北端の蔵元。今年、日本酒業界最大のコンテストとして位置づけられている全国新酒鑑評会で2年ぶりとなる最優秀の金賞を受賞した。北の夜空に光輝く北斗七星より命名された「北光正宗」は雪国飯山の澄んだ空気のような、キリッとした辛口の味わい。食事に合う飲み飽きしない地酒は地元の人に支持され続けている。
 村松裕也さん(33歳)は角口酒造店の若き経営者杜氏。酒造りの親方として、老舗蔵元の伝統を守りながら日々挑戦を続けている。


 「杜氏になった時から地元の酒米である金紋錦をコンテスト用の出品酒の原材料に使っています。金紋錦は金賞を取れるポテンシャルをもった酒米。この蔵は米、水、人、すべての原料を地元でまかなえる恵まれた環境です」。

 

 今年の全国新酒鑑評会で金賞を受賞した角口酒造店の村松裕也さん(33歳)は杜氏になって9年目の若き経営者杜氏。

 

 「品評会できちんと結果を残していく事が、自分としては大事な事だと思っているので、今年は金賞まで届かないかなと思う年があっても出品する。一番気をかけて、手をかけて造った酒がどういう評価をされるのか、技術者のプライドをかけて毎年出しています」。

 明治2年創業の蔵元の跡継ぎである村松さんは、東京農業大学で醸造学を学んだ後に飯山に戻った。先代の杜氏が高齢になり杜氏代行を経て、25歳の時に杜氏として酒造りをスタートさせた。

 

 杜氏とは酒蔵の最高製造責任者のこと。お酒の製造・管理だけでなく、酒造りのスケジュール管理や蔵人たちの健康管理など様々な面で蔵全体を取りまとめている。

 

 「蔵人は、皆地元の人です。どうしても雪が多い地域なので、仕事をする以前にこの地域で生活できるかが大事。出社前に雪かきをしないと車が出せないとか、そういった生活環境が当たり前の人達でないと、この蔵で職人として酒を造り続けていくことは難しい。その分、なぜこの地域にこの酒が必要なのか、体験的に染み付いている人間だけで造っているとも言えますね」と村松さんは話す。

 

 飯山は豪雪地としても知られていて、多い時は3メートルを超える積雪がある。

 

 「雪が多いからこその良いところは蔵の保温性が良くなること。かまくらの中で酒を造っているようなものなので、低温で安定した環境なんです。困るのは、厳寒期の朝方にマイナス15度ぐらいに冷え込む日が続くと、蔵の中が冷気で覆われ蔵からなかなか冷気が出ていかなくなる。そうなった時には全てのお酒に処置をしてあげないと、発酵が進まず、旨いまずい以前に酒にならないという状態になりかねない怖さもある。最近はある程度コントロールできるようになりましたけどね。色々あぶない橋も渡りました」と笑う。
  

 角口酒造店の醸す「北光正宗」の酒造りに欠かせない水は、日本有数のブナの原生林をいだく霊峰・鍋倉山より湧き出る水を、また主原料である米は全て長野県産米を使用。そのうち「金紋錦」と「ひとごこち」は地元飯山市と隣の木島平村で契約栽培している。

 

 「昨年は例年に比べて米の質が固く、酒造りには扱い難い年でした。けれど日本酒造りは米のせいにできない。色々な工程があって、リカバーする工程がたくさんあるので、いかに毎日積み重ねられるかが最終的には酒の質になってくる。今年は米が悪かったから酒のできが悪いっていうのは、自分の技術がないと言っているのとイコールになってしまう。常に与えられた原料で安定した味に仕上げられるかが日本酒造りに求められているんです」。

 

 村松さんは、昭和59年度生まれの長野県の酒蔵の跡取り5人からなるユニット「59醸」のリーダーとしても活動している。2017年は「酒米・しらかば錦」「精米歩合59%」の統一ルールのもと、それぞれの蔵で“59醸酒”を造った。このユニークな酒造りは今年で3年目になる。

 

 「同じルールで造るのに、まったく味わいが違ってくるからおもしろい。何の予備知識がなくてもいい、ただ飲んで、おいしくて、楽しいって言ってもらえる、日本酒を飲み始めるキッカケになるような活動にしたい」と様々な取り組みを企画している。

 

 「派手な酒ではないけれど、飲み飽きない辛口の酒をつくりたい」。

 

 創業者の“地元の人たちに愛されてこそ本当の地酒である”を理念に、小さな酒蔵でていねいに造られた北光正宗の辛口酒は地元の人に愛され、飲み続けられている。

 

 「飯山は雪の多い地域で、特に冬は大変な事が多い生活になる。でもその大変な中で暮していく意味の一つに、うちの酒があってくれればすごく嬉しい。そういう存在にならなければいけないなと思っています。この地域で飲む北光正宗というものが、そういう形で地元に根付いて、さらにそこから日本中や世界中で飲まれるような酒までになれるよう、これからも酒造りをしていきたい」。

 


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