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この記事は2011年冬号です

ギャラリー夢民(むーみん)
〒399-9301
長野県北安曇郡白馬村北城2937
TEL.0261-72-2830


 「自分の暮らしている環境の中のもの、白馬に暮らしていて、白馬で物づくりをしているからこそ作れるもの」。

 木彫作品を白馬村で制作している丸山和之さんは、自分の作品をそう話す。 野に咲く草花を見ながら描く。庭に飛んでくる小鳥を写真に撮って描く。山に出かけ、高山植物をデッサンして作品のモチーフにする。

 和之さんは木彫の他、植物を描くボタニカルアート(細密画)などの作品も制作している。ひまわりの種になる真ん中の部分、ヤマユリの花びらの点々など、まるで浮き上がってくるような繊細な画に、女性の方の作品ですかと、聞かれる事が多いそう。

 芸術大学を目指し進路を決めたのは高校3年になってからだと言う。それまで父の譲さんが作家として作品づくりをする姿を見ながらも、自分で何かを作るという事はまったくなかった。通っていた高校では芸大に入学したという前例がなく、自分で色々と調べ、夏休みに芸大を目指すための夏期講習へ通った。

 「まったく何も分からない状況で、ほんとカルチャーショックでした。何を一番最初に教えてもらったかって、鉛筆の削り方ですよ。鉛筆削りで削った鉛筆を見て、これは違うと言われナイフでの削り方を教えてもらいました」。

 それから数年の浪人時代を経て芸大へ行く事は諦め、東京のデザイン事務所で就職口を見つけた。

 「デザイナーになろうと思っていました。作家では生活が難しいと思っていたから」。

 デザイン事務所で働こうとしていた矢先、父譲さんがイベントのための雪像を製作中に背中に大ケガをし、和之さんは父の仕事を手伝うために白馬へ帰った。

 「それがきっかけというか、運命みたいなもんだよね。あの一瞬から自分の行く道が変わった。作家で生活するのは大変だって分かっていたのに、同じ道に入ったんです」と話す。ケガをして動けない譲さんから「頼まれている仕事があるから、代わりにやってくれ」と言われたぶどうをモチーフにした木彫レリーフの仕事を、和之さんは難無くこなした。

 「予備校で木彫の勉強はしてません。結局そういう環境に育っていたからですね。たぶん、自分の感性はこっちにあったんだって自分でこの時に気がついたんです。じゃあ俺、うちに入るよって、東京を引き払って白馬に戻ってきました。その時そう、すぐに決める事ができたんです」と話す。

 父譲さんからまず、道具の使い方を教えてもらった。彫刻刀の柄の部分を自分で作り、刃の研ぎ方を習った。現在では譲さんの作品と並び、和之さんの木彫作品がギャラリーに多く飾られている。

 作品に使う木材は、シナの木、ホウの木、タモの3種類。色目がきれい、そして何より使い慣れているから選んでいる。  

「木によって、ここまで彫っても大丈夫という限界が違う。慣れている木だとその限界が分かるから、細く彫ったり、細かな表現ができるんです」。

 「冬に作品を作っていたら、その年に収穫した玉ねぎとじゃがいもの芽が出ていて、その姿が面白いと思って」。にょきにょきと芽が出た形がユニークな作品もある。木彫レリーフの他に、ギャラリーに飾られている立体の作品。余った木っ端があったからと作られた桜の枝、バラの花びらは触れたら折れてしまいそうな、繊細さがある。

 「まわりにある花や動物をモチーフにしているけど、ひとつだけ実物を見ていないものがあって、それがヤマネなんです。親父が言うには昔は白馬にもいたようなんですけど。

 自分の中でストーリーを作りながら作品作りをする時に、その主人公をヤマネにしているんです。だからヤマネのシリーズはよく作っています」と和之さん。

 ギャラリーから見渡す白馬連峰は、短い秋を過ぎ、間もなく真っ白な冬のシーズンを迎えようとしている。


木づちを使って粗彫りをする。
 
実物を見ながら水彩絵の具を使って彩色する。
 
和之さんがいつか見てみたいと話す、ヤマネをモチーフにした作品。
額の部分は黒く色づけしたタモ材を使っている。
 
ギャラリー夢民。和之さんの木彫レリーフ、木彫の立体作品を展示している。
気軽に立ち寄れるギャラリー。
 
真ん中の絵がボタニカルアート(細密画)。
野菜、高山植物、小鳥など白馬の自然がモチーフになった木彫額絵。
 


一面雪で覆われる冬の白馬村
 雄大な北アルプス連峰がそびえ立つ白馬村。北アルプスの麓、ペンションなどが並ぶ白馬村エコーランドにあるギャラリー夢民(むーみん)。白い壁に蔦が広がる、小さな教会のような建物だ。ここ夢民には白馬村を代表する木彫作家・丸山譲さんの作品がギャラリーに飾られ、木彫レリーフの他、置物、アクセサリー、スケッチ画などを販売している。店長は譲さんの奥様。気軽に立ち寄れるアットホームな場所だ。
 ここ数年ギャラリーには譲さんの作品と共に息子 丸山和之さん(41歳)の作品が増えた。父と同じ作家として、木彫、また繊細なボタニカルアートを制作している。現在では毎年東京と名古屋で個展を開催し、新しい作品を作り続けている。
  植物、動物、風景・・・和之さんの作品のモチーフになる豊かな自然が白馬村のあちこちに広がっている。

 

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