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2008年 冬号 中野市土人形 / 春号 松川村お面 / 夏号 信濃町南米民族音楽 / 秋号 佐久穂町創作リース

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この記事は2016年秋号です

りんごやSUDA
りんごやSUDA

りんごやSUDA
〒384-0701
長野県南佐久郡佐久穂町畑1234-11
TEL.0267-88-4195/FAX.050-3737-7181
携帯.090-9144-4642
E-mail.ringo-suda@sepia.ocn.ne.jp
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八千穂高原

秋、色鮮やかなモミジやナナカマドが白樺林に映える

八千穂高原(佐久穂町)

 長野県の東部、南佐久郡の北部に位置する佐久穂町。町の中央部を千曲川の清流が南北に貫流し、その沿岸に沿って国道141号とJR小海線が走っている。北八ヶ岳を横断するメルヘン街道(国道299号)沿いには、日本三大原生林の一つに数えられる原生林の中に白駒池、雨池、双子池などの天然湖が点在する八千穂高原や、苔むした岩場に囲まれ、イワナやヤマメが生息する渓流・古谷渓谷などがある。夏は緑に覆われた清涼感、10月中旬から下旬にかけては、渓谷全体が赤や黄色に覆われて美しい紅葉が楽しめる。

 ここ佐久穂町の標高900mの場所で果樹園を営むりんごやSUDA。有機栽培で地力を高めながら、減農薬栽培に取り組み、地球と人に優しいりんごを作っている。歯ごたえが良く、味わいも濃い自慢のりんごをぜひ味わってみてほしい。


 八ヶ岳の麓、佐久穂町の標高900mの高原で、りんごとプルーンを有機肥料と減農薬栽培で生産している須田治男さん(42)。秋映、つがる、ふじ、シナノゴールド、シナノスイートなど8種類を栽培しており、直営する果樹園の面積の7割をりんごが占めている。りんご栽培では、この標高が限界。1000mを超えると、強い霜が降りたり、年間の気温の変化があまりにも大きすぎる。ここは気温の差がちょうど良いので、香りが強く、身がギュッとしまったおいしいりんごができるのだそう。八ヶ岳から吹き降ろしてくる風が、うまい具合に空気をかき混ぜてくれるからだ。

 

 須田家が果樹園を始めたのは、昭和2年。祖父が「須田農園」としてりんご栽培を始め、父の代で「りんごや」に変え、果樹園の面積を広げてサンプルーンの栽培もするようになった。

 

 幼少期、両親はいつも忙しそうで、日曜日になると畑へ手伝いに行かされる。治男さんにとって、果樹園の仕事は「就きたくない仕事ベスト1」だった。果樹園は兄弟の誰かが継ぐだろうと、ソムリエの道に進んだ。しかし、シェフ仲間、ソムリエ仲間に、父が作ったりんごを食べてもらったり、りんごジュースを飲んでもらうと「おいしい」と好評価。「継ぐ人いるの?」、「決まっていないの?」と聞かれ、「うち、どうなるんだろう…。両親の代で終わっちゃうのかなぁ。そんなのもったいないな」と思った。高齢になった両親が、果樹園の規模を小さくしようと考えていることを知った治男さんは、35歳のとき、父の跡を継ぐ決心をした。こうして、3代目となる治男さんが「SUDA」を加えて現在の名前になった。

 

 父から、栽培の仕方一つひとつを、1から10まで教わり、代表を引き継いだ。「新しいことをしていきたい。お客さんと接する仕事をしていたので、りんご園に人を呼んでみたい」と、始めたのが「オーナー制度」。秋映、シナノスイート、シナノゴールド、サンふじから1本選び、契約日から収穫までの1シーズンを“自分の木”とすることができる。5月の選樹・花摘み、6月の摘果・藁引き、8月の葉摘み・名入れ、10月の収穫を体験し、オーナー樹から収穫したりんごは自分のものになる。オーナー制度を始めて5年、徐々にクチコミで広がっていき、県内外から申込みがあるのだとか。「青空の下で、りんごがどのように成長していくのかを知ってもらい、そこに吹く風、におい、空気を感じながら、りんごを収穫する喜びを味わってもらいたい。子どもたちの笑い声が響き、ぐるぐると駆け回っている畑っていいなぁ〜って思うんですよ」。

 

 ソムリエだった治男さんには、その経験を生かして、やってみたいことがあった。自分のところでできた果実を、お酒にしたいと、開発に取り組み、研究を重ねて、ようやく完成したのが、りんごを使った辛口スパークリングワイン「シードル」だ。ふじ、紅玉、シナノゴールドの3種を12月に破砕・プレスし、そこから出た果汁を4ヶ月間、低温でじっくり発酵させる。その後、ショ糖と酵母を加えたリキュールを入れ、瓶の中でさらに発酵。手間もコストもかかるが、きめ細かい泡をつくるには、瓶内二次発酵がかかせない。今年の2月、信州産農産物のブランド化を目指す、味と品質を保証する「長野県原産地呼称管理制度」に認定された。

 

 また、地元の酒蔵「黒澤酒造」さんとのコラボ商品、プルーンとりんごのリキュール「リキュール ド ポム」を昨年から販売。9月に収穫したプルーンを、このリキュール用に仕込んでいただいた日本酒に8ヶ月漬け込む。そうすると中の果肉がトロトロになる。その果肉を遠心分離機にかけ、皮や種、余分なものを取り除き、残った濃いエキスをさらに日本酒に加える。プルーンの香り、味わいのついたものに、りんごの果汁(紅玉、シナノスイート、秋映)をブレンドすることによって、りんごの爽やかさとプルーンの香りと味わいが生きたリキュールが完成する。「やや甘口で、野菜や魚介を使った料理、デザートとの相性が良かったです。いろんな方に飲んでいただいて、おいしい出会いを見つけていただきたい」と治男さん。


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