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この記事は2023年春号です

きよかわ株式会社
きよかわ株式会社

きよかわ株式会社

飯山マウンテンファーム蒸溜所
〒389-2411 長野県飯山市豊田5123-30
TEL:0269-67-0118

https://kiyokawa-sake.co.jp/

飯山菜の花畑

千曲川沿いに咲き誇る満開の菜の花

 長野県の北部、飯山市戸狩温泉は、緑豊かな里山の温泉郷。北陸新幹線飯山駅からは車で20分の距離にある。飯山市は、長野と新潟県の県境にある全長110kmのトレッキングコース「信越トレイル」の拠点。美しいブナ林に囲まれた、国内でも稀なロングトレッキングコースとして多くの人々が訪れている。三嶋山高源院周辺は初夏になると1万本ものあじさいが咲き誇る観光スポット。

 田園に囲まれた、ここ戸狩温泉にある山麓の蒸溜所「きよかわ株式会社 飯山マウンテンファーム蒸溜所」では、ウイスキーをはじめ、ジン、ウォッカが製造されている。


 「きよかわは、ウイスキーやジン、ウォッカを飯山市の蒸溜所で製造しています。山々に囲まれ、水に恵まれたこの地で原料となる大麦や小麦、米の自社栽培も行っています」

 きよかわ株式会社の代表取締役社長であるデビッド・トライアーノさんは話す。

 イタリア出身のデビッドさん。これまで日本酒やウイスキーなどの蒸留酒を輸出する仕事に携わってきた経験から、様々な日本の蒸留酒に触れ日本でウイスキーを作ることを決意したという。

 のどかな田園風景が広がる飯山市戸狩温泉。山々に囲まれた小さな温泉地であり日本の原風景が残るこの地にデビッドさんは蒸溜所を作り、2019年から稼働させた。
 
 「蒸溜所を作る最適な場所を求めて、日本全国色々な場所へ行きました。北は北海道の利尻島、南は沖縄です。山形や栃木も候補地でした。

 街中も検討したのですが、利便性よりも自然に近い場所がよかった。戸狩温泉には麦や米を栽培する十分な農地があり、そして酒づくりに欠かせない豊かな水がありました」

 冬は日本海からの季節風の影響で多量の降雪がもたらされ、日本有数の豪雪地帯として知られている飯山。12月中旬から春先までは雪に覆われているが、夏は内陸盆地型気候で蒸し暑く昼夜の寒暖差が大きい。

 「飯山は夏は暑く、冬は寒い気候。昨夏は猛暑で、40度を超える日があったほどです。ウイスキーを貯蔵する樽は、夏の暑さで中身が気化膨張し、冬の寒さでグッと収縮します。この膨張と収縮が重要で、飯山の気候はウイスキーづくりに最適だと思っています」

 樽熟成はウイスキー造りに欠かせない工程。数年の熟成期間を経て、味わいがまろやかになり深みが出るという。

 蒸溜所からほど近い場所には、樽工場を建設し、最終的には自社製造の樽を使用していくと話す。

 蒸溜所には眺めのいい大きな窓のある空間があり、そこでは試飲会などを計画しているという。その部屋からは日本で唯一イタリアから輸入したという2基の大きな蒸留器を見学することができる。

 その2基の蒸留器にデビッドさんはそれぞれ“もりたろう”“もりひめ”と名前を付けた。それは飯山市なべくら高原のシンボル、ブナの巨木「森太郎」と「森姫」にちなんだもの。ブナの木は非常に高い保水力がある。ブナ林が貯えた雪解け水は里山の田畑へと流れ、土に栄養を与えてくれる。デビッドさんは飯山市役所に出向き名前の使用許可を確認。地域社会と共存共栄を育むための思いが込められている。

 蒸溜所の周りの田んぼでは、麦や米を栽培。2019年に蒸溜所が稼働する数年前から栽培を始めたという。

 「米の栽培が盛んな飯山ですが、麦を作るのは難しいと色々な人に言われました。しかし私はビッグチャレンジとしてこの地で大麦や小麦の栽培をしようと思いました。大変なこともたくさんありますが、種の開発など試行錯誤しながら栽培しています。現在は一部原料を仕入れていますが、数年をかけて自社栽培のものに切り替えていくことが目標です」

 飯山の豊かな自然の中で磨かれた清らかな水と厳しくもあり恵まれた気候は、きよかわの蒸留酒に欠かせないもの。「日本の伝統的な製法でジャパニーズウイスキーを作りたい」というデビッドさんの熱き思いから生まれるきよかわの蒸留酒を味わってみては。

 

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2023年より順次国内向けの商品を展開予定。詳細はHPなどでお調べください。
https://kiyokawa-sake.co.jp/


きよかわ株式会社

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