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2017年 冬号 野沢温泉村 とみき漬物 / 春号 中野市 押鐘園 さくらんぼ / 夏号 松本市奈川 好きですね奈川 / 秋号 飯山市 角口酒造店

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2014年 冬号 須坂市 楠わいなりー / 春号 木島平村 オーベルジュ・グルービー / 夏号 栄村 山ぶどうバッグ / 秋号南相木村信州田舎暮らし

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2009年 冬号 須坂市 まゆ人形 / 春号 布ぞうり・布スリッパ / 夏号 南相木村 機織り / 秋号 小海町 木彫り人形

2008年 冬号 中野市土人形 / 春号 松川村お面 / 夏号 信濃町南米民族音楽 / 秋号 佐久穂町創作リース

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この記事は2025年夏号です

花とハーブの里ガーデンハックルベリー生産者の会

窓口:池田町役場 振興課 農政係
TEL 0261-62-3127



「あづみ野池田クラフトパーク」から一望できる
北アルプスの景観

 北アルプスの雄大な山容を一望できる景観に恵まれた池田町は、明治初期より製糸の町として栄え、戦後は電気、機械を中心とした工業が発展した。また、あづみ野の一角を担い、県下有数の米どころとして稲作を中心に農業も栄えてきたが、近年は花とハーブの生産も盛んにおこなわれるようになった。年間を通じて降雨量が少なく、冬は寒冷だが積雪量が少なく夏も比較的過ごしやすい気候で、近年は移住先としても人気の町になっている。
 今回、この自然豊かな池田町で、「ガーデンハックルベリー」の生産をする生産者の会を訪ねた。


 2023年に地域おこしの一環で発足した「花とハーブの里 ガーデンハックルベリー生産者の会」。助産師だった瀧澤洋子会長をはじめ、医療従事の経験・体験から、食農を考え体に良い食べ物を意識し「元気な町おこしをしよう」と5人で立ち上げた。

 

 そのときに出会ったのが「ガーデンハックルベリー」だった。知人から苗を5株もらい、育ててみたのが始まりで、試行錯誤を繰り返しながら栽培面積を増やし、今では3トン以上の収穫ができるくらいの生産に成功した。
 

 ガーデンハックルベリーはナス科の植物で、ツツジ科の「ハックルベリー」とは異なる植物。実はブルーベリーによく似ているが、甘みはなく、ナスのような風味がする。

 また、ガーデンハックルベリーには、アントシアニンというポリフェノールがブルーベリーよりも多く含まれており、βカロテン、ビタミンA1、ビタミンB1など抗酸化作用のある栄養素が豊富。目の健康維持に役立つ可能性があると言われており、近年注目を集めている。

 「デジタル時代で目を酷使している現在、幼少期からの弱視・視力低下は社会問題です。予防のために継続して摂取して欲しいです」

 

 会員が育てるガーデンハックルベリーは、農薬や化学肥料を使わずに栽培している。10月中旬、果実が黒く色づき表面の艶が消えて、くすんだ黒紫色になってから2週間以上経つと果実の「がく」が枯れてくる。「がく」が実から離れやすくなったら収穫の合図。初霜が降りる前に、一斉に手摘み作業がおこなわれる。1株から3kg以上採れるそうだが、未熟果には毒性のあるソラニンが含まれるので、収穫作業や実の選別は慎重におこなう。

 「虫もつきにくいし、鳥に食べられることもなくて、とても栽培しやすいけれど、収穫が一番大変なんです」と瀧澤さん。

 

 会員は現在28名。それぞれが収穫した実は、委託している加工場でビネガー、ジャム、ジュースに加工される。この3品は北アルプス山麓ブランド商品に認定され、池田町のふるさと納税の返礼品にもなっている。「アルプスハックルベリー酢」とジュースは水や炭酸水で3〜5倍に薄めて飲んだり、カクテル、料理にも使えると評判。また、ビネガーをご飯に混ぜると綺麗な紫色の酢飯ができ、見た目がより華やかになるのだそう。たっぷりと粒が入ったジャムは、トーストやヨーグルトによく合う。

 

 生産者の会では、ガーデンハックルベリーを使って調理し、試食を重ねながら、毎日楽しく、美味しく食べる方法を提案している。たとえば、醤油で煮ておやきの具にしたり、佃煮や漬物、パウンドケーキ、バターにしてトーストに塗って食べたり…。実自体に甘さや癖がないので、味付け次第でいろいろ楽しめる。

 

 ナス科の植物なので、ご飯のおかずとしても美味しく食べられるのだそう。

 「鉄火ナス(注1)の作り方で、最後に鰹節を混ぜてあげると、とっても美味しいんです」という気になる情報も教えてもらった。

 「多くの人にガーデンハックルベリーの期待される効果や価値を知ってもらって、みんなが健康になれると良いなと思います。10年以上摂取している仲間は、眼精疲労の改善、視力・老眼改善、毛細血管の拡張、緑内障の方の眼圧低下、老化予防、便秘改善などを実感しています。毎日継続して摂ることで、健康維持増進につながっていくと思います」と瀧澤さんは語った。

 

 24年度は、目の健康維持と予防活動の取り組みから、町内の小中学校生徒との商品開発や収穫体験もおこなってきた。今後も町の子どもたち、住民と共に「元気な町おこしをしよう」を念頭に活動を続けていく生産者の会の皆さん。池田町だけでなく、国民全体にガーデンハックルベリーの魅力を知ってもらい、特に若年層の視力低下の改善を目標にしているそうだ。

 

(注1)長野県中信地方の郷土料理で、ナスの味噌炒めのこと

 


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