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2017年 冬号 野沢温泉村 とみき漬物 / 春号 中野市 押鐘園 さくらんぼ / 夏号 松本市奈川 好きですね奈川 / 秋号 飯山市 角口酒造店

2016年 冬号 南牧村 野辺山霧下キムチ / 春号 小海町 珈琲焙煎工房2+1 / 夏号 佐久市 銘菓「五稜郭」玉屋 / 秋号 佐久穂町 りんごやSUDA

2015年 冬号 高森町 信州市田酪農 / 春号 飯山市 田中屋酒造店 / 夏号 さかえむらトマトジュース / 秋号 木島平村 芳川養蜂場

2014年 冬号 須坂市 楠わいなりー / 春号 木島平村 オーベルジュ・グルービー / 夏号 栄村 山ぶどうバッグ / 秋号南相木村信州田舎暮らし

2013年 冬号 佐久穂町 きたやつハム / 春号 佐久穂町 八千穂漁業 / 夏号 南牧村 滝沢牧場 / 秋号 松本市・乗鞍高原 樽スピーカー

2012年 冬号 池田町 陶芸 / 春号 白馬村 革バッグ / 夏号 津南町 染織 / 秋号 信濃町 暮らしの人形

2011年 冬号 白馬村 木彫りアート / 春号 須坂市 はんこ / 夏号 塩尻市 ボタニカルアート / 秋号 飯山市 シュガーアート

2010年 冬号 須坂市 ミニ和紙人形 / 春号 筑北村 木工スプーン / 夏号 松川村 古布手芸 / 秋号 池田町 バッグ

2009年 冬号 須坂市 まゆ人形 / 春号 布ぞうり・布スリッパ / 夏号 南相木村 機織り / 秋号 小海町 木彫り人形

2008年 冬号 中野市土人形 / 春号 松川村お面 / 夏号 信濃町南米民族音楽 / 秋号 佐久穂町創作リース

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この記事は2024年春号です

八千穂高原ビール
八千穂高原ビール

八千穂ブリューイングカンパニー株式会社 八千穂醸造所

〒384-0704 長野県南佐久郡佐久穂町大字八郡2049番865

営業日:金・土・日曜

TEL: 0267-78-3417

日本一美しいと言われる白樺群生地(八千穂高原)

 長野県の東部、南佐久郡に位置する佐久穂町。北八ヶ岳を横断するメルヘン街道沿いの八千穂高原は「日本一の白樺群生地」と言われ、 約200haに50万本の白樺が植生している。2023年夏、ここ八千穂高原の森のなかに「八千穂醸造所」がオープン。クラフトビールの製造販売をしている。取水している八千穂高原の水は、日本有数の軟水。

 「誰もが感じられるほど柔らかく、のどに一切の雑味を感じません。これなら麦芽の風味を余すことなく抽出でき、美味しいビールができると思います」と八千穂ブリューイングカンパニー株式会社、代表取締役の高岡信明さん。


 「私たちは、北八ヶ岳連峰の湧水を使用して、クラフトビールを造っています。ここの水の硬度は一桁で日本有数の軟水。八千穂高原の森で長い時間をかけ、濾過しながら蓄えた天然の水は、私たちのビールの最大のアドバンテージです」と、八千穂ブリューイングカンパニー株式会社の代表取締役、高岡信明さんは話す。

 

 「クラフトビールは、インターネットなどで色々なブルワリーがレシピやヒントを公開しています。しかし、その通りに造ったとしても、同じものができないのがクラフトビールなんです。

 私たちのビールは、私が修行した時に習ったレシピの98%同じ造り方ですが、できあがるビールはそれとはぜんぜん違います。土地それぞれの水質の違いで、味わいが変わるんです」 

 

 代表の高岡さんは、茨城県のクラフトビール工場で醸造方法を学び、2021年に「八千穂ブリューイングカンパニー株式会社」を創立。昨夏、標高1,600mの森のなかに「八千穂醸造所」をオープンさせた。建物は、高岡さんがキャンプやスキーで八千穂高原を訪れるたびに気になっていたという、かつてガソリンスタンドだった物件をリノベーションしたもの。ここで、ホップが香るはなやかな風味、麦芽のコクが特徴のエールスタイルの“八千穂高原ビール”を製造している。

 

 高岡さんは現在、埼玉県杉戸町在住。輸入ワインのプロモーション会社も経営しており、週末になると、車で3時間ほどかけ八千穂高原へ通っているという。

 「2020年に新型コロナウィルスの影響で、人が集まることができなくなってしまった時に、大勢の人が集まるワインの展示会の仕事がストップしてしまいました。その時間を使って何か新しいことにチャレンジしてみようと、ビール造りを始めました」

 

 ビールの発酵温度は約5〜23℃で、冬場−20℃を下回る八千穂高原の環境では酵母菌は活動することができない。そこでメーカーに要望し、特別に八千穂ブリューイング仕様の設備を作ってもらい、−30℃まで対応できるようになったという。

 「まだまだまごつくこともあり、どうしたらいいかと誰かに相談することはたくさんあります。また、造るだけじゃなく、製品にして届けるまでの難しさもあります。でもこの場所でビール造りをしていて、とても楽しいんです」

 

 クラフトビールの魅力のひとつは、失敗してもリカバリーできることだと高岡さんは話す。

 「例えば、仕込みが年に1回だけだったり、熟成期間が長いものと違って、クラフトビールはサイクルが早く毎週でも作れるんです。どうしたら、よりビールがおいしくなるかと試行錯誤を重ねていける。ここにはいい水があって、美味しいものがつくれる気がします。

 原料になるホップ作りも始めました。冷涼な気候がホップ栽培に適していて、50年ほど前は八千穂高原にホップ畑が広がっていたそうです。当時のホップが自生していると地元の方に教えてもらい、それを植え替えて再生しようとチャレンジしているところです」

 現在、“八千穂高原ビール”は八千穂高原の数軒のペンションや醸造所のタップルームなどで飲むことができる。オンラインショップもオープン予定。また、オリジナルビール造り体験が好評。お一人から最大6名まで参加でき、1回で約25L、330mlビンで約65〜70本のビールを造ることができる(要予約)。

 「クラフトビールはとっても自由で、色々な副原料を入れることができるんです。この間は、まぐろの出汁を入れてビールを仕込んだお客さんもいました。はちみつや果物を入れたり、クラフトビールならどんな個性も表現できます。成功や失敗関係なく、楽しんでビール造りを体験してほしいですね。

 八千穂高原には大自然が広がっていてキャンプ場やスキー場もあります。そういう環境のなかで、自然との触れ合いを楽しみながら、クラフトビール造り、美味しさを体験してもらえたらいいなと思います」

 


八千穂高原ビール

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