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THE信州 みやむら農園 夏いちご サマープリンセス
 

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2017年 冬号 野沢温泉村 とみき漬物 / 春号 中野市 押鐘園 さくらんぼ / 夏号 松本市奈川 好きですね奈川 / 秋号 飯山市 角口酒造店

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2014年 冬号 須坂市 楠わいなりー / 春号 木島平村 オーベルジュ・グルービー / 夏号 栄村 山ぶどうバッグ / 秋号南相木村信州田舎暮らし

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2008年 冬号 中野市土人形 / 春号 松川村お面 / 夏号 信濃町南米民族音楽 / 秋号 佐久穂町創作リース

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この記事は2019年夏号です

みやむら農園 夏いちご サマープリンセス
みやむら農園 夏いちご サマープリンセス

みやむら農園

〒384-1211長野県南佐久郡南相木村1900-3
TEL&FAX. 0267-78-1688
http://m-nouen.com/
◎地方発送も可(化粧箱に詰めて発送) 
村内では日帰り温泉施設「滝見の湯」で夏から秋に販売。

滝見の湯

すぐ横には滝が流れる滝見の湯(南相木村)

 長野県の東南端、群馬県境に位置する南相木(みなみあいき)村。人口1,000人ほどの小さな村で、村の90%を山林原野が占める自然豊かな場所。

 南相木村は周囲を山々に囲まれ起伏に富んでいるため南相木川の流域には急流が多くいくつもの滝がある。昼夜の寒暖差が大きく、高原野菜の産地として有名。標高900〜1,300mには白菜やレタスなどの畑が広がっている。春は山菜の宝庫、高原野菜が最盛期の夏、きのこ狩りが楽しめる秋、全面結氷する湖で穴釣りが楽しめる冬・・・味わい深い魅力があふれる南相木村に惹かれ、移住者も増えている。宮村さん家族も静岡県湖西市から移住し、村でサマープリンセスという品種の夏いちごを栽培している。


 「夏にいちご?って思うけれど、色々な人に夏いちごを知ってもらいたいなと思っています。サマープリンセスという品種で、夏から秋に食べられる四季成りのいちご。味と甘みのバランスが良い夏らしいさわやかな味わいです」

 みやむら農園の代表、宮村大祐さん(46歳)は標高1,000mを超える南相木村で夏いちごを栽培し今年で11年目になる。

 

 静岡県湖西市での生活を経て、農業に携わりたいという思いから南牧村や川上村で2年間の農業研修をした後、新規就農の受け入れをしていた南相木村に奥様と移住。2009年にいちご農家に就農した。

 「農業研修でお世話になった方が、それまで栽培していた高原野菜から夏いちごに切り変えるという時期で、一緒にやってみないかと誘われたことがきっかけです」

 高原野菜などは広い土地や色々な機材、設備が必要になるが、いちご栽培は最初の設備代はかかるが、新規就農するには始めやすかったという。

 

 いちごの旬は冬から春にかけての季節が定着している。この時期にスーパーなどで販売されているいちごは一季成りのいちご。十数年前までは夏や秋に食べられるいちごはほとんどが外国産のものだったが、現在は国産の夏いちごが生産されており、品種も増えている。

 

 みやむら農園のいちご畑は標高約1,300mの場所にある。栽培しているサマープリンセスは、平成15年に南信農業試験場が開発した信州育ちのいちご。赤色が鮮やかで、ほどよい酸味を含んださわやかな味わいが特徴。

 「9月頃になると赤くなるまでに時間がかかるから甘みがのって、夏場のいちごとは酸味と甘みのバランスが逆転してくるんです」

 表皮が柔らかく、果肉は白い。ほどよく酸味があるので、主にケーキのデコレーションに多く使われているという。
 

 春に昨シーズンに用意した苗を定植し、初夏になるとミツバチの巣箱をハウスに設置する。

 「ミツバチの働きも大事。ちゃんと受粉の仕事をしてくれるといちごの形もきれいに揃う。私たちも、彼らがストレスなく飛び回ってくれるように気持ち良い環境を作っていきます」

 この時期に悪天候が続くとミツバチの動きが悪くなってしまうという。花が咲き約1ヶ月後、6月下旬頃になると実がなり始める。いちごがまんべんなく赤くなるよう摘葉、摘果作業を繰り返しながら、いちごを収穫する。

 「7月8月は忙しくて、自分の誕生日も忘れてしまうほど」と奥様の久美子さん。

 

 一番気を使うのは水量の管理だと大祐さん。水は湧き水を使用し、給水パイプで流す。

 「その日に送る水の量は、機械まかせにしないでその日の天候などをみて自分で判断します。いちごが水っぽくならないように調節しています」

 また、水と一緒に送る養液も多すぎると、実が赤くならずに白くなる白ろう化という現象が起きてしまうため注意が必要。バランスが崩れると1日で白ろう化の現象が起き、商品にならなくなる。

 

 「苗に元気がなかったり、いちごの調子が悪いと廃液を測る。元気で栄養を十分に吸うことが出来ていれば、廃液の濃度は低く、流した養液の濃度に近い状態のまま廃液が流れ出ている時は、苗に元気がない証拠。そういう時は養液をやめ、水だけにして様子をみます。人間と一緒ですよね。水分を取って寝て回復を待つ。

 特別なことをやっているとは思わない。毎日いちごの様子をみて天候にあわせて管理していく。自分たちのやり方が正解かどうかわからないけど、良い方向になるよう、毎日積み重ねていっています」と大祐さん。

 

 納豆菌の仲間を有効成分とした生物薬や暑い時期に発生しやすいハダニには天敵の害虫を利用するなど、減農薬に力を入れている。

 安心安全ないちごを食べてもらいたい。シーズンの終わりには村の保育園のいちご狩りが恒例行事になり、園児たちも楽しみにしている。緑豊かな山間の村で大事に育てられたサマープリンセス。暑い季節にさわやかな夏いちごを味わってみては。


みやむら農園 夏いちご サマープリンセス

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